ギャラクシーif編エピソード「夢幻の誓約」 阿羅耶識
- 4 日前
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「それで厳島殿からの返答は?」
「それが”内政不干渉”を今までどおり続けると…」
「一体どういう事になっている!まさかかの姫も同じ意見だというのか?とても信じられぬ!」 …ざわつきが収まらない議場はもはや神域の態を成してはいない。
栞はかつての女神顕現の時の事を思い出して一層憂鬱な気持ちを持て余している。 さすがに今回は歌いだそうとか彼女に丸投げだとかは考えないことにしよう。今度の問題は戦陣を組むことでは無いはずだから…。 そう考えを纏めようと思案に沈もうとしたところ、矛先が自分に向いていることに気づいた。
「鹿島様、もう一度改めてお考えを伺えますか…?」
今回は話が進むのが早いな。栞はある程度混乱が収まってから差し水をしようと考えていた為に導入部分までしか話を考えていなかったのだが、その部分はいま必要とされていないようだ。この場の議長も期待を込めて栞の一挙手一投足に注目していた。
「そうね…まずは調査資料の「科学的解析」から始めましょうか?」
ざわつきが一層大きくなる。てっきり呪術的見解や魔術的見識からの解説を求められると確信していた担当者は栞の言葉の意図がつかめず、口を空けたまま固まってしまっている。誰もが期待通りの指示を出してくれると信じていた筈だ。
「せ、僭越ながら鹿島様…件の宝物庫は明らかに古代的呪式による空間組成が核になってい
る筈。「現代科学」で図れるものではありますまい?」
思わず首長の一人が不敬と思いながらも疑問の旨を伝えた。まるで言葉が通じなくなった事をも想定しているかのようだ。無理も無い事だろう。
それでも栞は厳かな光をその目に湛えてこの場の責任者達に語りかける。
「あれほどの規模の呪式領域が接続した時代への最適化をしないとは考えられない、というのが私の現時点での見方です。それならばなおの事、何千年もの時を越えたかの宝物庫はオーバーテクノロジーの集積体と見るべきでしょう。」
もはや手の届かない見地での論理展開に首長や責任者達は揃って顔を見合わせる。 状況把握の為にその場に使わされたビジョンズの二つ名で呼ばれる少女は、目の前のあまりの講義の出来に喝采を送ってしまおうとする自分を抑えるのに必死だった。

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