ギャラクシーif編エピソード「四季の肖像」序章
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四季の名を冠する世界的に名の知れたホテルのスイートルームが全て貸し切られたあの日、一日中表現できようもない恐怖に体中が漬かっていたようだった、と「生存者」は語ったそうだ。
時を刈り取り死の匂いを何重にも纏うその存在。地母竜をも呼び寄せる魔王にしてかのサン・ジェルマン伯爵の親しき隣人…そう称されるその正体が命を産み育む女性だというのは笑えないジョークだと嘲る者もかつてはいた。だが、そういった者達が冥府行き直行便を集団チャーターしたことは言うまでも無い。
そして話題として取り上げること自体が死を呼び寄せる儀式魔術とみなされるようになるまで時間はかからなかったようだ。もっとも噂の一次情報者が生存しているケースが聞かれないため確かな話ではないのだが。
そういった背景を持つ彼女ではあったが、最近面白い噂にご執心だった。 なんでもオーバーテクノロジー装備のメイド軍団がいるだの宇宙の果てからやってきた天使が行軍しただの神話の神々が具現化しただのといった事が極東の島国で集中的に起こっているというのだ。
初めてその情報を届けた使用人は既に死出の旅に旅立たせてやったので真偽は確かめられてはいないが見世物見物にはなるだろう。ふむ、各地の同胞達にも声をかけておくか…さぞや盛大な祝祭となるだろう。 彼女は珍しく少女のように浮ついた気分でクローゼットの扉に手をかけた。

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