ギャラクシーif編エピソード 「連葉の庭園」EGO 開パート
- 4 日前
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面倒だったのは自分の在り方だけではなかったかもしれなかった。 斎木インダストリー本社の高層階、応接室と思わしき場所に通されてから小一時間以上が経っているように感じていた。
思わしき、というのはこの場所が神話に出てくる「楽園」のようなイメージを抱かせる故だ。 鳥が歌うようにさえずり、草花は萌え立ち、さらさらと小川が流れ、それらをてらす太陽は福音の象徴のように光り輝く。しかもそれら全ては人の手によって創られた固有空間だというではないか。
そしてそれは量子シミュレートとかいう技術だから成すことができるものらしい。 社長室長と名乗った女性はそう説明してくれたが、正直十分の一もわからない。 開はテーブルに用意された紅茶とおしゃれな意匠のクッキーに手をつける気にもなれず、ただ呼び出しをかけてきた人物を待ち続けることにする。
それがどれだけ自身の運命を揺さぶる事案を呼び寄せる事になろうとも。 それ以外に妹と自分の力の謎を解く手がかりは無いのだから。開は汗のにじんだ手を握り締める。 そして待ち人はその姿を現した。運命を司る者は自分以外いないと言いたげな微笑を湛えて。

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