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ギャラクシーif編エピソード 「未踏の見識」ダークロア

  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

私の見てきた歴史の源流は、最初の一滴を受け止める器ができた時から始まるものだった。


そう初めの一滴が石を穿ち始める要因はさまざまである。


それはちょっとした思いつきを実際にやってみようとする時であったかもしれない。


偶然の一言がきっかけの試みであったかもしれない。


もしくは神の気まぐれのごとき僥倖が巡り合わせた発見であったかもしれない…。


そこから世界の元となった器は池のようなサイズから湖のようなスケールのものとなり大河を生み出していく。


その「水量」が増せばそこに生命が生まれ日常が形成されて歴史が始まる。


やがて芽吹いた時間の積み重ねは現実という名で呼ばれるようになるのだ。


…その一連の流れそのものが世界そのものの意思であるのかどうかはわからないけれど。



「そう、「扉が開く瞬間」っていうのは認知できないものだよ。そういうのってしかるべき結果が出始めてから思い返して気づくものじゃない?」


…たった一度の邂逅が本人のみならずその血統の歴史を何千年も縛る事は珍しくないだろう。


このわけがわからない報告ももしかしたら一族の命運を左右する要素が含まれているかもしれない。


何せ黎明の女神らしき存在との遭遇を一部始終見ていたなどという者が現れるなど何かの前兆でしかないだろうからだ。しかし理解しがたい言葉が多すぎる…重点だけでも伝わりやすい言葉を選んでくれないだろうか。


飯塚秋緒は目の前の存在が発する言葉を聴き始めてからどれぐらい経っただろうと思いつつ適当な相槌を打っていた。


ここに議事録を纏めてくれるものはいない。もしかしたら私がこの話を受け継いでいかなければならないのかと思うと気が重い…シトラグリンあたりに投げておくべきだったかと思い始めた秋緒に対して公演者は手の平をひらひらと振って意識の存在を確かめてくる。


「大丈夫?ちゃんとここにいる?」


「問題ない…先を続けてくれネモノワ。」


「そう…?吸血鬼連中と違って人狼族はちゃんと話を聞いてくれるから助かるね。じゃあ次は能力者の限界の殻を壊せる存在について…」


秋緒はそこらへんの話は最初から聞き流す気満々だったが、異世界と”女神”についての要素が練りこまれていないかチェックは怠らない。この場が設けられたのが運命であるならば”女神”と再び因果が交わることもまた必然の帰結であるだろう。


そういった繋がりから考えると「異世界からの侵攻」というのも自然の流れに沿ったものなのかもしれないな。


いつしか秋緒の意識は眼下の巨大な境界門に向けられていく…そして地響きのごとき運命の歯車がかみ合う音は周辺一帯に鳴り響いていた。


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