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ギャラクシーifエピソード編「久遠の帰途」WIZ-DOM

  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

「魔導の道を究めるには血の中の蓄積こそが不可欠な要因であり、唯一無二の資格である。


血脈の繋がり無き者に挑む資格無し」と説いて憚らなかったかの教授が満足にまともな勝負をさせてもらえず極東の島国で消息を絶った、という情報が学院中を駆け巡って久しい時が経っていた。


カバラのピナーのセフィラでもあった彼女の失踪は学院生だけでなく教授陣にも少なくない動揺を与えていた。


そう、「理解」を司る天使の加護を受け、その力の一端を従える事のできた優れた魔術師であった彼女。


その彼女が名も知らぬ土地の戦いにおいてレギュレーションも把握できず無様に敗走したなどという情報を始めは誰も信じなかった。


それでも現地に赴いた捜索チームは塵ひとつ残っていなかった彼女の工房跡地を目の当たりにして思ったのだ。


魔導の道を侮っていたのは他でもない我々のほうだったのだ、と。



「スウェーデンボルグさん。この前の評議会でのレポート大変興味深いものだったわ。これからもこの分野の牽引役をお願いするわね。」



ジリアンはかすかな笑みをたたえてレミリアを賞賛した。毎度言葉足らずで誤解を与えてしまうのだがこういう場こそしっかり褒めていきたい。


次代を担う人材にはそれ相応の賛美を与えるべきだ…最近はそう考えるようになってきたのだ。


さて、言葉だけではなく褒章も用意してある。後は授与式典の招待状を渡してこの場を締めようとして、ジリアンは用意してあった小洒落た封書に視線を移しかけて違和感を覚える。


レミリアは明らかにこの空間の何かを警戒しているように見受けられた。


その様子にジリアンは瞬時に執務室があるこの一帯を覆う導知結界を俯瞰して驚いた。


結界の要石となっている宝石に異質な呪法の残滓が染み付いている。


それを知覚するとジリアンはレミリアにアイコンタクトで事態の共有具合を確認する。


その時のレミリアの蒼い相貌はこれからの展開をあらかじめ見通している予知の魔女の如き光をたたえていた。


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