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ギャラクシーifエピソード編「久遠の帰途」 EGO 開パート

  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

「この案件につきましては担当の者に一任しておりますので、こちらでお答えできることはございません。


後日アポイントを取って担当部署の者にお問い合わせください。」



取り付く島は無かった。大自然の大海原に投げ出された事だけを思い知らされたのだ。


それでも海図や食料、使っている船舶や各種機器のメンテナンスは元より人員管理や航路進行スケジュール運行までを逐一やってもらっている人間の待遇としては破格であったかもしれなかった。


こんな事なら多少の無理をしてプライドを押し込め、一括のパッケージツアーを提案してもらえば良かったのかもしれない。


その上で社会科見学プランもつけてもらって…


希望の通りの筈だったシナリオ進行は灼熱の空気を孕んで体の中を焼き続けた。



そんな茹った頭で何とかなんてできるはずないじゃない。


そう愛花にバッサリ切り捨てられたのが一昨日の事だった。


それでも開は自分の中に堆積した感情を消化できずにいた…唯一の理解者でありかけがえの無い家族であった妹は人間とはまったく違った存在となり、空の彼方へ飛び去ってしまった。


「人間の可能性の殻を壊すことのできる能力」…?それが俺の何を救ってくれるというのか。


救世主や勇者ごっこは遥か昔に卒業したし、世界の命運とかにはひとかけらの興味も持てない。


目の前の日常すらどうにもできない主人公など世捨て人以下の価値しか感じられない。


そして自暴自棄になり話を聞いてくれていた愛花にも酷い言葉を投げつけ、見捨てられている。


雨にでも降られればそれっぽく浸れるのだろうが、惨めな気分は晴れないのは自明だ…



出口の無い迷路の入り口へふらふらと入っていこうとする開の目の前にいつの間にか一人の少女が立っていた。手のひらに小鳥を乗せて散歩中だったらしい彼女は心配そうな面持ちで開に言葉を投げかけていたようだったが、開はその言葉を受け取る術を見つけられずにいた。


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