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ギャラクシー”フォールンマテリアル”ー許容と調和のシナリオ想定ー

  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

あれからの日々は私に何をもたらしたのだろうか?今は確信できる答えは無い。


しかし遠からずその答えを問われる場は訪れるだろう。


…それを宿命とか運命とか表現する事はしたくないものだ。


すべては自分の意志決定の積み重ねで選んだ道だという事を忘れたくは無いから。


詠はいずれ来るに違いない再会の為に伝えるべき言葉を紡ぎ続けている。


彼らにとっては「試練の日」そのものになるだろう確信があるが、自分の立場上何を伝えるかは厳正に制限されている。その時に彼らが「回答」にたどり着けていることを祈るのみだ。


詠の考える理想を体現し、具現化し続けてくれた兄と家族や親しき友人達…七大天使となっても頑なに手放す事をしなかったかつての日々の記憶は今でも詠の大切な拠り所に変わりない。


お兄ちゃん…必ずたどり着いてね。水瓶座の時代のその先へ。


バラキエルとしての行動原理にさらされ続けた自分の意識が早晩飲み込まれるのは決定事項に違い無いだろう。だがその時が来てしまったとしても希望の灯を届けてくれる存在であってほしい。


限りなく夢想に等しきその願いを詠は抱き続ける事を改めて誓った。


…自分が「運命」の執行者そのものとなる未来を受け入れていながらも。



「それで、イレイザーについての講義内容をしっかり聞いてきたんでしょうね?…ああ、大丈夫よ基礎教養レベルの知識が欠けがちの開に論理的説明は求めてないから安心して?」


「…。」


あまりの尊大な言葉の切り口に開は唖然としてしまったが、大体通常運行なのでツッコミは入れないでおく。まずは姫の機嫌を損ねない言葉を選んで説明せねばなるまい。


真面目にプレゼンする気力は今の一言でだいぶ削がれたのだが、目の前の幼馴染はそれを意識して流している…普段の成績は俺とどっこいのくせに、という愚痴が喉を通りそうだが必死にそれを飲み込んで開は愛花に対しての解説を始める。


「そうだな、まず聞いたところによると詠のケースは非常にレアな”ホーリーチャイルド”っていうものらしいんだな。そしてこの前の因果の大変革や”女神”の顕現みたいな非常事態が引き金となって」


「そういう流行りのオンラインゲームみたいな話は苦手なのよね。固有名詞抜きの説明はできないの?」


開は話始めて5秒も経たないうちに愛花の仏頂面を眺める事になって愕然としたのだが、ぐっと我慢して履修してきた情報をかみ砕くことにする。


「うむ、なんて説明すればいいかな。映画の脚本みたいに詠の辿る人生が既定路線のシナリオとして決められていた、という解釈をしてくれ。そして俺たちはそのシナリオを崩して詠の日常を取り戻すという筋書きだ…これでわかってくれるか?」


開は自分の数少ない語彙を何とか日本語として組み上げて説明をしたが、愛花はいまだ納得のいかない様子だ。明らかに不機嫌オーラが立ち上っている。


このままではフィールグッド女史のところへ乗り込みかねんな…俺の責任か?


開はいつも通り首根っこを掴まれて振り回される想定を脳内で完了し、今にも暴発しそうな幼馴染の顔色をうかがうところからやり直すことにした。


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