ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー適任なトラブルメーカーと不適格な優等生ー
- 5 日前
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どうすればこの願いは叶えられるのでしょうか?
…彼の純粋な意思が込められた瞳を直視できずに私はおもわず目を逸らした。
あらゆる手段を用いて万全を尽くしていた。
考えられる全ての要因を満たしていた筈だった。
神の加護ですら十全に授かっていたように感じていたのだ。
しかし現状彼らの望むものはひとつとして得られていない。
現実という名の事実認識はあまりにも残酷に彼らの願望の未達ぶりを突き付けているのだ。
もはや彼らの自我が救済されるには彼ら自身の魂がその大願の礎となることだけだろう。
”その心身が捧げられた道が後から歩む後進の同胞たちの道しるべとなるのが最善である。”
私はそのあまりにも無慈悲な通達を告げることが自らの最後の役目だと考え、意を決して彼に視線を戻した。
彼、いや彼らの私に向ける瞳は今なお万全の解決手段を授けてもらえることを微塵も疑っていない。
だが今までのような全能の神託を授けることは今の私には不可能なのだ。
それでも私はこの場での自らの使命を遂行するべく呼吸を整えて両手に神気を収束させていく。
次第に淡い光がこの儀式場にあふれ出し彼らの視界と意識を白く灼いた。
彼らの望んだであろう理想的未来のための供物が天上へ捧げられた瞬間であった。
「レイドワークス様…現状の認識としては神話上の怪物どもがこの現世で暴れているに等しいレベルと存じます。貴女様のお力はこのような時にこそ求められるべきではありませんか?」
「…。」
シルヴァリアは粛々と論じられた”正論”に対して返す言葉を選びかねていた。
導知評議会からの使者である老魔術師はシルヴァリアに対して懇願ともとれる態度で「説得」を試みている。
それは己が信じる神への信仰心のようにも見えた。
だがシルヴァリアはそれをあくまで冷徹なまなざしで見据えている。
私が出張って何になる?世界創成でもすればいいのか…そんなことでもあるまい。
増々冷え切っていく自分の心に嫌気が差していくがそれでも最低限の受託はしなければならない。
成功と達成を司る世界のアルカナの力を継いだ者としての使命は軽いものではないからだ。
しかし現状の「正識の門」周囲の異常事態は私ひとりでなんとかできるものではないしな…
未だに朗々と「説得」を続けている老魔術師の演説を聞き流しつつシルヴァリアは今回のトラブルシューティングのための思考ルーチンをセッティングする。
今脅威に晒されている「門」を構成する五つの柱、「論理」・「熱情」・「道徳」・「摂理」・「縁覚」のそれぞれの守護者への知覚ネットワークをまず繋ぐ必要があるな。
そして柱の核となっている”封鍵”のセキュリティのサポートもしなければならない。
私ひとりでは手が足らないしヴィジョン構築にも手がかかる。ユーリアの予知にも頼らないといけないな。
仕事モードに移行したシルヴァリアはより集中するべく深層意識の海へ潜っていった。
…その様子をまじまじと見ていた老魔術師は口角を歪めて不敵な笑みを浮かべた。

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