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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー諮問機関員達の辿る遥かな旅路ー

  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

今や私の命運の行く末を決めるのは神でもわが主でもなくなった。


自らの居室に煌めく賞賛と達成の証を眺めて彼はその事実を噛みしめる。


眼下に広がる日常風景は正に幼いころ手が届かなかった絵本の中の理想像であった。


人権や市民権などという言葉が不必要なほどの平穏な日々が当たり前のように営まれている。


…しかし私の大事な人達はその場にいてはくれない。


はるか昔に失われた当然の現実を忘れたわけではなかったが、それでも今ここにある事実は多くの人々の欠落を埋めている。


そう、それで構わないはずであった。例え今までの道のりがただの自己満足であったとしても道中で得られた様々なものは私の新しい拠り所となってくれているからだ。


そして彼は今なお鮮やかな過去の憧憬を改めて意識の底に片づけようとして、違和感を覚える。


完全であったはずの自分の心象風景が「描き直されている」ように思えたのだ。


仲間たちとの出会いの場、熱情や理想とともに駆け抜けた日々の中に覚えのない情報が盛り込まれている。


愕然となり我に返ると妙な気配がこの居室に存在していることに気づく。


私はとっさに振り返って見てしまった。


泣き顔の仮面をつけた黒いボディスーツの男。


その首筋にはあまりにも不穏な光を放つ蛇の徽章…その輝きが男のこれからの役目を私に伝えている。


仮面の男は私が”それ”に気づいたことを確認して手を私の前にかざす。


その瞬間、私の視界と意識は熱湯にくべた氷塊のごとく消失していった。




「…それで管理者のその後の消息は掴めていないと。「正識の門」の管理権限を持っているアリステイル財閥からの返答はどうなっているの?」


「それが現在は鋭意調査中であり、外部に答えられることは現状無いと」


ディーナはおもわず眉を寄せて不快を抑えることに失敗していた。


現状「門」に関しての異常事態の報告はないが、もし神域への道が他の勢力に掌握された場合はイレイザーや極星帝国に対する以上の安全保障問題が起こることは明らかだ。


それに神域に常駐している魔術や魔術機構はこの世の摂理や因果の在り方を容易く変容させるものばかりでありその力が現世を混沌に陥れることは火を見るより明らかだろう。


ディーナは刹那の瞬間で最悪の事態をいくつか想定して従者たちに指示を飛ばす。


「今すぐ「門」を構成する5つの柱のヴァイタルチェックをして。カバラのセフィラの方々にも話を通しておいて…あとヨハネスのもとには私が直接赴くわ。」


ディーナはそれだけ言い残すと外套を羽織って席を立った。


執務室の窓からは夏らしい日差しが差し込んでいた…これからの灼熱の日々を予感させるかのように。



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