ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー自明の解析、繋がるシグナルー
- 5 日前
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結局自律する人形に過ぎないじゃないか。僕も君も…それだけは確かなことだろう?
意図せず溢れだした”自我”の主張。それが何を伝えようとして放たれた言葉だったのかは未だにわからないままだ。
しかし「対等な関係」を望んだ彼が紡いだその言葉に込められた想いを受け止めなくてはこの場に来た意味自体が霧散してしまうのは自明である。
それでも無理だ…なけなしの自尊心と自己肯定を投げ捨ててまで歩み寄るなど到底できるわけも無い。
目の前の奈落に等しい溝が求めていたはずの「共存」を拒んでいる。
彼の理想に理解を示し続けることが好意を示す唯一の手段であった?本当に?
今はその”賢い選択”にすがることすら難しい有様。でもこの場で万策尽きたと示すことは己の存在意義を投げ捨てるに等しいこと。例えこの身が一個の歯車であってもそれは変わらない。
脳裏に消えては浮かび上がる箇条書きの感情を整理できないまま私はもう一度コミュニケーションのために言葉を投げかける…
自分の必要性を訴えかけるためでなく、自らの機能が創り出せる「可能性」を示すために。
「それで「君の話には”非現実”が足りないね…面白さが無いわけだよ」とかのたまったとか。自らのイメージ世界を現世に具現化できる人はそこらへんが違うのね」
「…」
完全に意思疎通する意思を投げ捨てた今日香は目の前の斎木のご令嬢に対して憮然とした表情を返した。
”まず人とコミュニケーションするという姿勢を示せ”というアイコンタクトでそれを示す。
いかに実務の場をこなしてきた自分で会っても超越者語は不慣れなものだ…もっと一般的日本語での会話を求めたい。
まさに”もの言いたげ”な今日香の態度を見てガチに不思議そうな若葉は可愛らしく小首を傾げて見せる。
なんとも苛立たしい以外の感情が起こらないその所作を見た今日香は援軍を呼ぼうとして自らのコミュニケイトデバイスに手を伸ばしかけてふと思い出した事があった。
…こういうときに必要なのは翻訳機じゃなくてプレゼンテーション手段だな。それもクライアントの趣味に適合したイメージの。
ある種のひらめきを受信した今日香は再度デバイスの通信履歴を遡って必要人員を確認し始める。
それが今後自分の苦労フラグを山ほど建てることに繋がる事態を覚悟した、その瞬間であった。

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