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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー異なる理想下の可能性についてー

  • 5 日前
  • 読了時間: 2分

ふむ、「末世における汎式価値創造論」か…確か”ホワイトジュエル・ロータス”の中でも一番の過激派が主張している持論だったな。


ステラはその彼なりの解釈を聞いて頭痛を感じていた。


”学会”系列の話題は現状触れるのを避けたほうがいいというのがステラなりのスタンスだが、これほど名指しで議題に挙げられては流すのも非礼にあたるだろう。


蓮の花の紋章を掲げてロータスという名前を冠するところで自明ではあるが、「自助努力の神格化」という教義をより強めたその組織は自らの崇める対象以外を排除した理想郷の実現のために手段を選ばない。


そしてその為の行動はすべからく”慈悲”と主張するのが構成員の信条であるらしい。


ステラの自意識の中でくすぶる危機意識は目の前で自らの言説に陶酔している彼に向けたものではなかったが、彼の背後に見える思考統制系の異能者であるだろう人物に対してのものなのは確かだ。


誰がどのような理想郷を信望するのも個人の自由だが、場の不文律として掲げるのにはまずコミュニティ内での同意を取り付けるのが一般的作法なのではないか?


ステラは招待されたこの豪奢な内装の部屋に込められた粘度の高い思想に対しての疑問を問いかけようと論理の組み上げを始める…


部屋の主である彼はその様子をにこやかに眺めて、対話という名の闘争を心から楽しもうと戦端を切ってきた。



「それであなたはその様子を律義に報告してくれたわけだけど、いったいどういうつもりかしら…?ミーア。いや学院の機密管理官殿?」


「この場でユーリア様がこの件についての一番の適任者に違いない、との判断で馳せ参じました…と言っても信じてもらえないでしょう。まずは予言と先知の魔女たる貴女の判断をお聞かせ願いませんか?」


ミーアはユーリアのシナリオだけを当てにしていたつもりではなかったが、「答え合わせ」ぐらいは付き合ってもらえるとの算段を最初から崩される事を察して唇を噛んだ。


現状で魔術関連だけのコネクションで済ませられるならわざわざ品定めされる不愉快を背負ってまでこの「隠れ家」に来ることは考えなかった。


しかし今は因果律そのものを揺るがす存在をこれ以上許容できる状況では無い。


ミーアは最悪の想定がぐるぐると回る自意識の中、選ぶことのできる最適解と”正解”を見つける為の手がかりを探し続ける。


ユーリアは目の前で気丈に振舞いながらも煩悶するミーアの姿にかつての旧友の顔を重ね合わせ、導くべき道の選択を委ねる決断を下した。

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