ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー現着した真実、そこにあった事実ー
- 5 日前
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今から遥か未来に生まれるとされる運命の双子…彼女達、ひいてはこの魔術文化圏の未来を拓くためにこの時を渡る禁呪の行使を許可します。
そしてこの任務を担う者としての称号でありWIZ-DOM名誉職としてそなたに「オーロラ」の銘を授けることとします。異論は無いですね?ミス・スウェーデンボルグ…いえミス・”オーロラコード”。
この場で粛々と進められていく魔導刻印の譲渡と拝命の儀式は厳かに行われていく。
それはこの世界の摂理に反してでも護らねばならぬ事に対しての誓約に違いない。
しかしいずれ訪れる水瓶座の時代への介入という此度の判断は教皇庁への反逆とも判断されかねない…まだ生まれたばかりのこの組織がこの判断をするのは明らかな自殺行為だ。
それでも今の教義が後の世での騒乱の元となるのを見過ごすわけにはいかない。
それが「先見」の異能を持つ者の使命である、と彼女は自らの決断が成す意義を改めて確認した。
例えそれが傲慢という名の罪業を生み出す元凶だとわかっていながら、だ。
そして彼女は盟主となって初めての命令を言い渡す…「聖典」の序章、その最初の一行が記された瞬間のことであった。
「果たしてこれが歴史の真実かどうかは闇の中です…なんて事じゃないわよね?篠崎一尉。」
「それは現場に行った二階堂さんに問うべきじゃないですか、なんて言い訳では通らないですか?」
わざわざ名字呼びで今日香へ詰め寄った千里の機嫌は誰の目から見ても傾いている。
まずかったな…レポートの形式をもっと指定しておくべきだったとか直接優芽ちゃんに出向いてもらうべきだったかとか役に立たない思考だけが今日香の意識内を満たしていた。
しかしでも何で今の時期にこんな事を調べるのかなと余計な事が追加で脳内に押し寄せる。
目の前の上長に今回の報告内容を納得してもらうのがまず必要なのにどうした私の自意識よ。
今日香は時間を経る度に険しくなる千里の視線に耐え忍びつつもひっかかり続ける疑問達に問いかける。
どうして君たちは今この場で私を煩わすの…?
無論回答は帰ってくるはずも無いのだが、無意味な情報の羅列がいつまでも今日香の自我に語り掛けている。自分たちの存在が今必要なのだと。
「無謬の石」、「オーロラコード」、「先見の異能を持つ”魔術界”の若き盟主」。
そして必要ファクターを満たした”結論”の一端が今日香の脳裏に紫電のごとく走った。
そのひらめきは瞬く間に現状を揺るがす因子として組みあがっていく。
…千里は目の前で産声を上げた”危険因子”の取り扱いについて、頭を悩ます時間が激増することを直感してより憂鬱な気分に苛まれる事になった。

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