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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー求めた真理、授かった原理ー

  • 5 日前
  • 読了時間: 2分

ああ、恋に夢見る頃を過ぎたとしても芽生えた理想は色あせてはくれないものなのか?


私の行動理念を根底から縛りつける茨の枷と美しい思い出はかつての誓いの履行を求めてやまない。


それでも私は姉さんのように物分かりのいい人形を演じていられない…このルォノヴァーラという首輪が従属、いや隷属を求めている限りは。


ルシオラはレイチェルの在りようを変えようと何度も問いかけを繰り返し、ついには姉の自律思考を崩してまで外の世界への欲求を植え付けようとした…それがどのような運命を呼び寄せたかは想像に難くない。


しかし彼女の意思は今でも世界にそのまま存在している。


遥か遠く世界樹の根本、根源の檻と呼ばれる処刑場にその本体を閉じ込められたままで。



「…それで彼女の「幻魄体」はまだ捕捉できていないと?それがこの場でどのような意味を持つのか知らぬわけではないよね。」


夜羽子は努めていつもの口調で話すようにはしていたものの、不機嫌と不満の凝縮した言霊を発してしまっていた。


それもその筈彼女…ルォノヴァーラ家の純血種は元々ヴァンパイアの中でも上位種として「世界の管理者」としての異能を宿している。その力はたやすく眷属を一山作り出すぐらいはお手の物。


そんな存在がいくら「分身体」とはいえ野放しになっているのは秩序の崩壊を招くのは必然の摂理だ。


いやルシオラの異能のひとつである「幻魄体」は厳密に言えば分身などという生ぬるいものではなく、本人そのものの多重存在を生み出す奇跡を可能にするもの。肉体という縛りがない分事態は悪化しているとさえ言える。


…それでも彼女の肉体を拘束したのは畏怖と畏敬によるものだろう。神代から続く”神”の末裔に対して抱くのはむしろ正しい判断だ。誰もその処断を下した者を責められまい。


しかし「檻」の管理役には今後とんでもない大きさの借りを作ってしまったということもあり、夜羽子は頭痛の種を増やしてくれた現地の責任者を呪いたくなる気持ちを必死に抑えて思考を回した。


今検討するべきは彼女がどのような企てをするか心配することでは無い。そう、ルォノヴァーラ家がこの件を盾にどのような”補償”を求めてくるかにどう対応するか、だ。


いやはやこの前のお母さまの件もいまだ完全に片付いたわけではないのに。


夜羽子は現地の実行部隊にほぼ丸投げする前提の算段を組み始めて、因果な我が身を笑いたくなっている…月の光がまるで無い新月の夜の事だった。



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