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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー未見の意味と予見の意義ー

  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

今口にした破滅を呼ぶ言霊…何を意味するかわかっての事だと理解していいのだな?アンタレス。


聖堂に響いたその言葉は一切の情状酌量を希望できない圧力でフォルナの意識を圧迫している。


滴り落ちる雨水の音さえもフォルナの自我を揺らしていた。


しかし理解に苦しむ。レイナ様は何故あのような妄言に等しい提案を受け入れることにしたのか。


私の預かり知らぬところで「協定」の見直しが行われたのか…宿命の組み直しと共に?


いや、皇帝直属隊のみならず帝国軍全体の未来を見据えての統括官の意思決定に否やは無い。


それでも”進言”を試みたのは自分の意思だけの問題では無かった。


そう、あの時私が見た「世界の変化」を伝えなければ。


「門」の奥に開けたあの領域…アレはこの世界に存在してはいけないモノだ。


世界の枠組みをも崩すだろうその存在。それを表現しただけでこの因果の揺らぎ。


今にも思考が途切れて箇条書きの情報が頭の中を乱してくる。


フォルナはその時の記憶をより強く鮮明に脳裏に映し出して言葉を紡ぎ直した…


それが自分の存在意義を歪める事を確信していながらも。



「…その時の内容が”アニヴェルセルの福音”の記述と同じだったということね。それがどういう意味を持つかわからないわけではないでしょう?アルヘナ。」


「無論言われるまでも無いことだな。しかし”欠落書架”自案に貴女が関われる資格を持っていたとは初耳だなラスタバン女史?」


互いの自我意識の衝突をまるで気にかけない疑問のぶつけ合い。


ソフィーとアルヘナのマウントバトルは「どちらがこれからの現場における意思決定をするか」というだけの事に留まらない。


これからの「運命の決定権」をどちらの陣営が握るかという死活問題なのは当然の流れである。


かの”福音”の書に記された”歴史の予定”は未来に何を起こすかが決められたある意味預言書より厄介なシロモノ。


閲覧権限の一端を握っているだけで自分だけでなく自らの陣営の安息と栄華が意のままになる…との観測は日に日に現実感を帯びていた。


それだけにその内容が皇帝直属部隊の冠名称付きとはいえ一人の剣士「風情」にもたらされた事は衝撃であったのだ。


それはそれぞれ現場指揮権限を持つソフィーやアルヘナにとって「自分が歯車の一つとして扱われる」布石そのものだと考えてもおかしくない事態。


だがいまここで言い争いをしていてもその懸念事項が払拭されるわけではない事は双方がわかっている。


しかし心理的優位を保っていなければこれ以上自分の自我も保てまい。 


そこでソフィーは一計を案じアルヘナへひとつの提案をしてみる。そしてその腹案はアルヘナの意識を砂糖菓子のごとく溶かしていった…これから始まる死者達の舞踏の幕が上がった瞬間であった。

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