ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー拒否と許諾の舞台上対峙ー
- 5 日前
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かけられた魔法が解ければもう得られるものは無いのか?
きらびやかな階段を駆け下りた彼女はひとときの夢を見終わってそう考えた。
借り物の馬車とドレスで過ごしたあの時間はこれからの日々の中で数少ない心の拠り所になってくれるだろう。別にそれで心残りは無い…そう割り切るつもりだった。
しかし、自らの意思で選んだあの舞台は忘れえぬ余韻を持って私の意識を支配している。
そう、自分が望まなければ道は開けず救いの手は差し出されなかった事は確かだ。
今度は私が運命の相手に選ばれる器かどうかなのだが、こういうことが安い打算で動くストーリーでないことは身に染みてわかっているつもりである。
彼女は豪奢な城で思案にふけっているだろう彼に対して問いかけを残した。
あなたはどういう脚本でこれからの日々を送るつもり…?
あたかも「夜空の星のごとく無数の答えの中から自分を探し出して」ぐらいの夢見がちな謎を置いてきた彼女は彼の困り顔を夢想して嬉しそうに笑った。
「よくもまあわざわざこんなところまで来たものだね…?」
「そう言わないでくださいよ御前様。この場所を教えてもらえるまで本当にどれだけの条件を出されたかわからないのですよぉ」
わざとすねた様子のみやこに対して真面目に対処の仕方を決めかねた鈴鹿御前はとりあえず正式な許可を持ってこの聖域に来ているのかを確認することにする。
毎度のごとく「なんとなく通してもらえました」的対応でこの場にいられると私自身の立場が危うい。
「まず言いたいことはわかっているな。誰の認可でここの事を知ってどういう経路で許諾を取った…?飯塚殿がそのへんを曖昧にすることは無いしお前に進んでそんな話をする事もなかろう?」
わざと言葉足らずな問いかけで鎌をかけてみる。
この時点で尻尾を出してくれれば少しばかりの説教ですましてやるのもいいだろう…本来なら首長レベルの情報管制が出されているこの領域の情報が洩れている事態であることが由々しき問題だが、今確認すべきはどこから情報が漏れたかでは無い。どこから渡りがついたか、だ。
神妙な面持ちで言葉を選ぶ鈴鹿御前を前にして不思議なほどの落ち着きようのみやこは当然下されるであろう「処断」を待っているように見えた。
もしやこの場の布石はあの大地母竜の棲み処への扉を開けるための通過儀礼…ッ?
まるであり得ぬシナリオの組み立てに気づいた鈴鹿御前が総毛だったその時、みやこの瞳の光は何とも妖しげな輝きを示して彼女の自我を侵食し始めた。

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