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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー平穏の契り、騒乱の誓いー

  • 5 日前
  • 読了時間: 2分

「今回の事案について全体の一側面しか見れない立場に置かれるか情報を完全にシャットダウンされるか選べ」とはさすがに酷い扱いである。ならば私はこの鳥籠から出てその俯瞰図を世の中に知らしめよう。


…あまりに詩的な”状況把握”に面食らった私はしばらく彼女の顔を見つめていた。


毎度のオリジナル言語の解析を嫌になったわけではないし彼女の相貌の美しさに見とれていたわけでもない。


私は”鳥籠の中での生活が日々の現実である彼女に外の世界がどれほど過酷な試練を与えるのか”みたいな「些細な心配事」に留まらない数々の懸念事項に対する彼女の考えを聞いておかねばならない。


そして出された答えが「自分の力で世界や秩序を正しく変えてみせる」というような熱を帯びていた場合は私自身の権限で彼女の自由意志を奪うことも視野に入れねばなるまい。


この神域で続いている奇跡的日常をこれからも護っていくために。



「それで今も続いているその”軟禁”が現状に与える影響というのはどれほどのものなの?この些末なレポートだけでは何もわからないのだけれど。」


「”ブリザード・レガリア”…我が氷雪の君。それは何より貴女が一番ご存じの筈では?」


紗絵は疑問を疑問形で返されたことに少なくはない苛立ちを覚えたが、自らの側近が主君への忠誠を違えるわけもない事を一瞥して確認すると自分の思考を改めて整理することにする。


そうだな…例の「鳥籠の姫君」が有する異能は確か「指定区域内での欲望や情動による行動を禁止する」というものだったはず。


しかも人間の根源的欲求に関わるものもあらかた”浄化”してしまうその力はたやすく人間を操り人形としてしまうだけのものでは無い。


現世そのものが彼女の願う「理想像」だけを絶対的正義として顕現するガラスの楼閣となるのも間違いないだろう。


同族嫌悪が紗絵の胸の内を侵食して不快な感情が湧き出してくる。


問題の姫君が神域の花畑を愛でている間は視界に入れないでいれば良かっただけの話だが、こちらの「現実世界」に出てくるとなれば話は別だ。


私のテリトリーで「理想論」や「正義論」を語った者達がどうなったかを事前に見せておかなければなるまいな。


紗絵は自らの御するノワール派の実務部隊の招集を傍らの側近に命じるとグラスの中身を一気に飲み干した。


契約の対価が支払われて異能が氷の牙城を震わせる…その胎動が神域に伝わったのはその日の明け方のことだった。


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