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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー予見と神託がもたらす選択ー

  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

ほう、それが君の示した正義ということで相違無いね…?美晴。


先日厳島の結界を揺るがした古代の神格に対しての陣頭指揮を任せた彼女はかくも穏やかな口ぶりで今回の功労者に声をかける。


それにしては不穏当な切り出しに美晴はどう応答していいのか困り果てて口をつぐむことを考えたのだが、それでは自分の采配に従ってくれた者たちの立つ瀬があるまい。


そして精神的優位を握られたままでこのまま流されるのはまずい…完全な理解を取り付けようというのは無理だろうが、せめてもの”譲歩”を引き出すのは現場の統括を任された私の最低限の義務に違い無い。


改めて決意を新たにした美晴は当初の提案を粘り強く説くことにする。


「恐れながら御屋形様…この度の任務に当たった者達はこの聖域だけでは無く周辺地脈全体の自治権限を護りきった勇者です。私の私見のみで事が為せたというのはあまりにも穿った見方だと存じます。どうか寛大な処置を」


そこまでを奏上して美晴はこの場の霊気が不自然に凝縮していくのを感じた。


しまったな…この霊格は天孫降臨神話世代の神格の気配だ。


急速に心臓が早鐘を打ち、生存本能がこの場を立ち去るように悲鳴を上げる。


アマテラスオオミカミの依り代であるあの子以上の絶対的存在感は随分と久しぶりだな。 


それでも立ちすくんでいる場合では無い…私が屈すれば皆は精神的隷属を強いられ物言わぬ狂戦士として消費されるだけの運命を負わされるのは確定事項だ。


美晴は日本全体の霊地全体を包括することもたやすいであろう目の前の大神の依り代へ問いかけることにする。


これからの未来を承諾してもらう為では無く、精神的従属ではない道を歩んでいく為に。



「この気配…美晴、様?」


「どうしたの?まだあなたが受け継ぐべき神器はあなた自身を認めてくれてはいないのよ…今この場の事だけに集中しなさい。」


「しかしこの尋常ならざる威圧感、ただ事では無いです!この厳島の霊脈全体が恐れ慄いている!直ちに駆け付けない、と」


うめはそこまで言いかけて美鈴のあまりにも怜悧な視線に言葉を詰まらせた。


その眼には”美晴を信じて”とか”今はあなたの成すことを為しなさい”とかいう優しい意図は微塵も感じられない。


その物言わぬ迫力はまるで”歴史の中のエキストラAが偉そうに自分の意思を持つな”と言わんばかりなものだ。


しかしうめは歴史の支配者然としている今の美鈴に対しても怖気ずく事はできない。


それは皆の期待を背負ってここにいるからとか八剣の家の使命を果たすためだとかいう以前の問題…うめが自分の背負った力と運命の奴隷とならない為の”在り方”を貫く為だ。


…その純粋な意志と誓約を感じ取った古代から伝わる神器はいつの間にかうめの手中に収まり、その刀身を半ば晒していた。


うめはその神器の鞘を完全に引き抜くと辺り一帯に光の奔流が荒れ狂い、視界が閃光に包まれる。


神代の昔から伝わる禊が仕上がった瞬間であった。


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