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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー不穏な完備と到達予測ー

  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

あの日果ての無い闇夜を照らしたまばゆい輝き…あれは本当に救いの光だったのか?


今日香はいつになく自問の時間にふけることとなった。


確かにあの日の朝焼け色の光から無数の始まりが生まれたことは皆が知る事実。


そして場合によっては閉ざされた未来やあり得なかった道が創造されたという声もある。


さらに直に体験した者たちのみならず伝聞で伝え聞いたもの、その創作物から生まれた世界も数限り無い…


ここまでくれば「聖典」などという大仰な呼び名が一般化されるのは必然の帰結なのだろう。


当事者の一人でも無い自分でさえそこから繋がる未来図の系譜は真であるとの判断を上層部に報告した。


それでも何故この疑問が自らの胸中に生まれたのか?果たして「聖典」が生み出した”救い”は皆が言う通りの公正で平等なものであったか?


今のところは答えを出すことができない…あの時の希望が誰に向けての”救い”であったのか知るものはいない。


そもそもの原典記述が失われた今は美化された痕跡だけが「聖典」たる現物となっている。


そう、あの日の記念写真に刻まれた永遠は関係者たちの聖域でありいつか還る場所。


そこに蓄積された時間と想いに踏み込むことなど著者でも許されざる禁忌に違いない。


今日香は未だ触れることのできない自らの”未来”をかつての聖域に重ねる事で肯定しようと再び試みることにした。




「チーフ…今の判断はとても適切なものだと私は思えません。それに」


「言葉を慎みなさい。識別コードI2-S”デスペラード”。」


サーニャはィニェスの言葉を苛立ちを隠さずに遮った。


確かに監査部としての役目を果たすとするならば今篠崎一尉の行ったアクセスを見逃す行為は明らかに越権行為に違いない。


そしてトップシークレット領域の閲覧は拒否したものの、入り口の在りかを掴ませること自体が重大な背任行為である事はィニエスだけでは無くこの場の誰もが確認していること。


それでもサーニャが独断でそれを容認したのは確信を持ったからだ。


そう、「運命」を決定している脚本の執筆者へ繋がるラインを掴めること…現実の恣意的変容を成せる能力者の確認に至ること。


それを把握しておける事によるアドバンテージは計り知れない…いかなる事態においても必至の切り札となるだろう。


政治への興味や支配欲にまるで興味が無いサーニャであるが、度々の不審な指示による部下や同僚たちへの抑圧には耐えかねるこの頃であった。なんとか現状を変えられる因子を探していた。


そこへ現れた篠崎一尉はまさに渡りに船…先見の異能を持つ彼女ならば到達できると踏んで招き入れた。


結果は予測通りに進んで「入口」は捕捉できた。あとは…


サーニャの脳裏には「目的地」への到達に必要なロードマップが仕上がっている。


無論不確定要素や能力者及びマインドブレイカーの介入といったイレギュラーも織り込んだモノだ。


これでこれからの事態は好き勝手になどさせない。


彼女はかつて自分が一番忌み嫌った観念的理想郷のヴィジョンに浸り、可愛らしくも歪な笑顔を見せた。


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