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ギャラクシー”ジェネシス・コード”ー「真実」がもたらす価値、「事実」が招く未来ー

  • 5 日前
  • 読了時間: 2分

冷めたコーヒーの香りがあたりに広がってふと我に返った。


そうだなあの場はあの”氷の女王”の牙城で彼女のお気に入りの拠点だ。


さらにEGO内部の「ノワール派」の総本山でもあった…ということは今練っている案は無意味どころか敵意を招くだけの代物に違いない。


「空白の中には穢れなき純白ではなく闇夜のごとき黒がふさわしい」が信条というあの場において情熱や展望など見込める筈が無いのだ。


…つまり今構築するべきは未来への希望ではなく過去を塗りつぶすほどの渇望なのだろうか?


それともかつて皆が憧れた「現実像」の具現化こそが求められているのか?


現状だけでは判断することが難しい。


それでもこれから訪れることが確実な絶望は未熟な願望をことごとく丸呑みにして新たなモンスターを生み出す。


「それ」は日常を侵食して奈落の底そのものを「現実」たらしめるだろう。


そうなってからでは新たな未来も生まれようがあるまい…地獄の釜の中はすでに煮立っているのだ。


絶望的観測を終えた彼女は長らく大事に抱えていた性善説を意識の奥へ閉め出すと、意識掌握の異能のリミッターデバイスを握りつぶした。



「かなりまずい段階に入っていると見て間違い無いのね。若葉…貴女の私見でいいから現状の”解決策”を話してみてもらえる?」


「そうですね…まずは例の”シャングリラ・プロセス”を使った案の実用化が最も近道と思えますけど、アレも元々は彼女の異能ありきでの算段が主なので現実的では無いか。そうなると涼宮の家に頼み込んで個人範囲内での”世界改変”をしてもらうとか。」


そこまで聞いて新名は正直苦々しい気持ちを溢れさせるところであったが、今若葉の提案を無下にしたところで事態は悪化するばかりだ。むしろ正解の無いこの問題に向き合ってくれていることに感謝しなければなるまい。


そもそも「ノワール派」が絡んでいるなら彼女に話を持っていく事はしなかった。


爆薬に油をかける事態を自ら招いてしまった事を悔いる無様を新名は殊更後悔したが、その導火線にいまだ火がついていない奇跡にも意味がある筈である。


しかしその奇跡がもたらしてくれた時間を使ってできる事はおそらくひとつだけだ。


そこまで思考をまとめた新名はそれを成しえる人物にアポイントを取る為にとっておきの”借り”に手を付けることにした

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