ギャラクシー"ジェネシス•コード"ー呪縛の目論見と夢の継承ー
- 5 日前
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私の焼け爛れた魂を見通すような緋色の瞳。
侮蔑があってもおかしくないその眼光の中には明らかな憐れみの色が浮かんでいた。
その眼差しから受け取れる思いが私の心を激しく揺さぶってくる。
今までの道のりが急に脳裏にあふれ出していく。
初めて受け入れてもらった時の歓喜と高揚感。
期待に応えられたと思える結果を出せたときの到達感と多幸感。
そしてそのために労力や大事なものを捧げたとき労ってもらったことへの感謝。
それら全てが私の生きる糧となり望む未来が開けていく毎日がとても愛おしかったのだ。
それは全ての可能性が幻想となってしまった今この時でも私のすべてであることに変わりは無い。
例え私の作り出したもの全てが抹消され皆の心から忘れ去られたとしても私自身の尊厳を構成していた要因は不変である。その確信はこれからも生きるための原資として変わらぬモノ…そう信じていた。
今までと変わらぬ寵愛が今後受けられなくなるだろうことが心から惜しくはあったが、それでもこの神域の片隅でこれまでの日常を愛でつつひっそりと身を引こうと自分を納得させていたのだ。
それなのに先ほど通達されたのはこの神域における居住権の剥奪と下界で一般民として生涯を終えろというもの。
当然の事ながら到底受け入れられる話では無かったが現状の私に拒否権はおろか選択肢を提示してもらえる配慮すら存在していない。
私はこれから訪れる定命の存在としての運命とこれから背負うであろう苦悩の数々に思いを巡らして絶望の深さにあえぐのだろう。
それならばいっそのこと…
私はわずかに残された自らの異能を最大限に開放してこの世界に「爪痕」を残すことにする。
そして私の初めての「自発的判断」は破滅を誘引する新たな呪いを生み出すこととなった。
「…それで”この世界の因果に呪縛の楔が打ち込まれた”と。この「従僕神」の権能についての詳しい情報を教えてくださいますね?アシュレイ様。」
「そうだね…なかなかこの件はダークロアにとっての秘匿条項のかなり深い部分の話だからかなりの配慮が欲しいところなんだよね。小鳥遊さんも組織内部の話に最低限の禁則事項ぐらいあるだろう?」
みさきと夜羽子は互いに手札の切り方を決めあぐねている。
この根源の森の中はダークロアのテリトリーの中でもより吸血鬼にとって主導権の握りやすい場所だ。
しかし今回の件は因果改変に関わるモノであるためEGOから派遣されたこの少女も事象改変を扱う能力者である可能性が極めて高い。
場合によっては穏便にお引き取りいただく事も考慮しなければいけないな。
夜羽子はいつものお気楽モード思考を早々に引っこめると、これから危惧すべき要因を整理することにする。
件の「従僕神」がこの世界に打ち込んだ楔は定命の存在の因果や認知を歪めるもの。
放っておけばこの世界の大半の生命は無意識レベルで存在が歪められて自我を持たない異形と化す可能性が高い…迅速な対応が求められるだろう。
かといって神域から追放できる程度の下級神の力とはいえその権能は「下界」の生命にとっては十分に脅威なものだ。
ここは生命の無意識に干渉できる「”四期”の守護者」に請願をするしかないかな。
さらっと素案をまとめた夜羽子は目の前の「ビジネスパートナー」へ情報共有を始める。
目の前の少女が自然の摂理に立ち向かえる意思と強さを備えていることを願いながら。

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