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ギャラクシー"ジェネシス•コード"ー危うい理想の経過相談ー

  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

…奇跡なんか起こらなければ良かったのに。


ついに漏れ出た彼女の言葉は私の心の奥底を抉った。


信じられない、受け止められない、理解などできない。


彼女の言葉の意味するところをわからないわけはなかった。


それはただの拒絶というだけではない「私達」のアイデンティティを否定することだ。


盛大に花開くはずだった未来予想図はたった今霧散したのだ。


誓いを立てたあの日の彼女の笑顔は「私達」に与えられる祝福の象徴だった。


あらゆる可能性や未来への展望は華やかな成功を支持してくれていた。


それなのに今この場にある現実は何だ?


まとまらない思考と感情は現状認識を拒絶し私から思考能力を奪っていて、絶望に相対することは不可能である。


そんな私を見るからに忌々しく睨んでいる彼女。


その禍々しい相貌が望むのは「私達」の産み出した運命を清算することだけだろう。


この神域の唯一無二の救済になるはずだったモノ。


その息の根を止めるべく私は「それ」に手を伸ばした、その時。


無邪気な殺意がこの場に満ち溢れて私達の命脈はあっさりと刈り取られることとなった。




「根付いた因果を剪定する意義は勿論心得ているつもりです。しかし此度の決議あまりにも性急で理不尽なものではないですか?今回に限り私には貴女様の考えに疑問を抱かずにはいられません。


これはこの根源の森だけの話に止まらない事。わかっておられますね?「豊穣」の守護者、ソルムス様。」


鈴鹿御前はこの地の守護者への敬意を忘れないように感情をなるべく抑えて意思を奏上したつもりではあった。


しかし漏れ出た激情は鈴鹿御前の制御を離れて目の前の守護者へと踊りかかった。


一瞬あっけに取られたような表情をした目の前の儚げな少女は鈴鹿御前の感情の迸りを受け取ると改めて鈴鹿御前へ優しげな目で微笑んだ。


それは初めて言葉を紡いだ幼い我が子への親愛を示すモノ。


少女は警戒心剥き出しの鈴鹿御前に対してその小さな手を差し出して許容の意思を示す。


それは少女がこの場で提供できる最大の褒賞だ。


だがそれに応じる事が何を意味するかわからない鈴鹿御前ではない。


鈴鹿御前の心中を察した少女はどこからともなくひとつの果実をとりだした。


怪しく輝く黄金色の果実。


その実がもたらすという知恵や混沌が何を生み出すのかは自明のこと。


明らかな戦闘態勢へ移行した鈴鹿御前にあまりに華やかな笑顔を向けた少女。


この地に生きる者達の試練が始まった事を鈴鹿御前は苦々しい思いで受け止めるしかなかった。


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