top of page

ギャラクシー”アナザーデイズ”ー見かねた愚考と「理知的判断」-

  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

ふむ、そういうことならひとつゲームをしましょう…貴女が持っているものを見せてもらうわ。


いつの間にか用意されていたカード一組。


どこにでもあるトランプにしか見えないそれを手馴れた手つきでシャッフルして目の前に置いた彼女はさも面白いものを見つけたかのような瞳で私の顔を覗き込んでいる。


 そんなに心配そうな顔をしなくても大丈夫。ルールは簡単…一枚ずつ上から順番にカードを引いていってスペードのエースを先に引いた方の勝ち。簡単でしょう?貴女が勝てば聞きたいことをなんでもひとつだけ答えてあげるわ。


そう告げた後に当然のごとく先攻を勧めてくる。ああ、知っているぞこれはただの運試しでは無い。


彼女にしかわからない「必勝法」が次のターンでこの場を締めるやつだ。


そしてそれはマジシャン的なトリックでも意識干渉系の異能を使ったアンフェアな騙し討ちでもない事を私は知っている。


その手の内は先代が一番好んだ勝負の切り札…同じ一門で知る者はいない秘伝であるはずだ。


わざわざそれを使って「勝負」をしようとは悪趣味にも程がある。彼女がこの場で告げたいことも想像がついた。


それでもこの場の通過儀礼はやり遂げなくてはならないものだろう。


意を決してカードのトップへ手を伸ばして引いたカードを彼女の目の前で裏返す。


…そこには自分をあざ笑うかのような絵柄が中央に大きくひとつ刻印されていた。



「えーと、それでどこまで課題を履修してきたか確認してもいいかな?真代…開くん」


「それが満足に答えられるようならここに軟禁されている理由は無いです。意地悪を言わないでくださいよミス・フィールグッド。」


開は懇願するような素振りで訴えかけてみるが、それが通らない事は百も承知だ。


そう、ただ意思のやり取りができるというだけの事でここにいる意味を自認したいだけである。


その様子を見てヘレンは微笑ましい小動物を見る目で開を見つめたあと、山のように用意してある必修課題をどれぐらいのペースで追加していくかを想定し始めた。


…まず自分の可能性から広げていくことを早急に覚えてもらわなくちゃね?


今のヘレンの脳裏には理想像を遥かに超越した存在の開がこれからの道を雄雄しく開拓していく姿が鮮明に映し出されていた。


それがどんな未来をもたらすのかの想定を棚上げなままで。


最新記事

すべて表示
ギャラクシー”フォールンマテリアル”ー自我意識境界の観測意義ー

「ふむ、不文律や”賢い選択”に疑問を持てる程度のレベルには達したか。いいだろうその案を承認しよう。 しかし「鏡面限界」に達していることが間違いないと?しかたあるまい…プランBの手配に移れ。」 リユニは目の前で交わされた会話の意味を受け止められずに自らの師に指示を仰ぐ。 だが彼女の上長である司祭は首を横へ振って視線を切った。その一挙動が示すのは暗黙の了解に従えという事のみだ。 そしてこの聖堂内の一室

 
 
 
ギャラクシー”フォールンマテリアル”ー切望と待望の相容れないスタンスー

そう、それが歯車としての理想のカタチね。それとこの誓約の期限はいつまでだったかな? …しかし白々しく確認してくるその口ぶりには毛ほどの悪意も感じられない。 それどころか「この場面で配慮をしてあげてる私は慈母のごとき存在」と顔に書いてあった。 愛花はそれを渋々許容してあげることにして話の先を促した。 それを好意的受容と見て取った彼女はテンションのギアをさらに上げていく。 満面の笑顔で語られる事案の経

 
 
 
ギャラクシー”フォールンマテリアル”ー未踏と未知が抱える神話ー

そう、元々絶望を受け止められない程度の器が夢や理想の重みに耐える事なんてできない。必然だと思わない? それとも様々な倫理や良識を犠牲にして専用の器を造る…?このひとつの禁呪のためだけに。 別に私は構わないけど、貴女にはそれなりの対価を支払ってもらうことになるわね。 必死に笑いをこらえて思わず吹き出しそうになっている彼女の顔は赤子の笑顔より無垢なものに感じられる。その様はまるで「ちゃんと言葉が喋れる

 
 
 

コメント


Copyright © Aquarian Age Fan Project All rights Reserved.

bottom of page