top of page

ギャラクシー”アナザーデイズ”ー普遍化する危機と呪縛ー

  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

…ふむ、この「漆黒の堕天使」とは何を意図しているのかな?


いやわかっているよ。天界からの侵攻や天使としか表現できない姿の個体の報告が連日上がっていることは私も確認している。


それだけに秘匿回線から送られたこの「報告書」の中身とその記述が気になるのだ。


わざわざ抽象的表現で何を伝えようとしたのか、この表現でなければならない理由があったのか。


それとも聖典の心象世界になぞらえてしか受け止められない壮絶な事が起きたのかはわからないが、この返信が前線に届いたならば対象についてのより詳細な観測事例を送ってきてほしい。


最前線で戦っている同志達の健闘を祈っている…御使いとの戦いを強いられている貴兄らにも主の加護がありますように。



「それでこの通信記録について今日香ちゃん、いや篠崎一尉はどう判断するべきだと思う?」


「そうですね…この「堕天使」というのがイレイザーの特異個体を指すのか、それとも異常状態を示すのかわからない現状では私の能力でも予測しかねますね。しかし文月さんはもう進藤家のパイプを使ってこの件を探っていたのでは?」


今日香は文月のノーリスク答え合わせに付き合おうとする気はさらさら無く、追加の情報提供を当然のごとく求める。EGO内部の派閥争いや利権事案の為の使いっ走りは鉄砲玉志願に他ならない…それは先見の異能など無くても明白な事だからだ。


より警戒レベルが上がったこの場において文月はやれやれと息をついて肩をすくめ、周囲の護衛へアイコンタクトを取った…その瞬間空気が異様な息苦しさを増した気がする。


やり取りする機密レベルを一段階上げる事を了承せざるを得ない事を了解したSP達は隔絶区間を用意した…万一の場合は内部の者であろうと軟禁する構えだ。


「ふむ、用意はできたようね。それでは始めましょうかこの度の「神話」の始まりの物語を。もっとも貴女はその先見の力であらかじめ予習してあるはずだけど、いいかしら?」


文月は何が、とは問わず同意を得られることを確認した。


今日香もどういうことか、とは口に出さず了承の意を返した…そう、これから話されるのは「人間のイレイザー化の本質」と「マインドブレイカーの本来の役目」に違いない筈である。


そしてそれを聞いた事によって自分にどのような責務が科されるかも当然わかっている。


今日香はそれらを承知の上でシナリオが展開する事を許容した…その応答がこの場の神話領域の稼動が正式に承認された証となり、因果の歯車は回りだした。



最新記事

すべて表示
ギャラクシー”フォールンマテリアル”ー自我意識境界の観測意義ー

「ふむ、不文律や”賢い選択”に疑問を持てる程度のレベルには達したか。いいだろうその案を承認しよう。 しかし「鏡面限界」に達していることが間違いないと?しかたあるまい…プランBの手配に移れ。」 リユニは目の前で交わされた会話の意味を受け止められずに自らの師に指示を仰ぐ。 だが彼女の上長である司祭は首を横へ振って視線を切った。その一挙動が示すのは暗黙の了解に従えという事のみだ。 そしてこの聖堂内の一室

 
 
 
ギャラクシー”フォールンマテリアル”ー切望と待望の相容れないスタンスー

そう、それが歯車としての理想のカタチね。それとこの誓約の期限はいつまでだったかな? …しかし白々しく確認してくるその口ぶりには毛ほどの悪意も感じられない。 それどころか「この場面で配慮をしてあげてる私は慈母のごとき存在」と顔に書いてあった。 愛花はそれを渋々許容してあげることにして話の先を促した。 それを好意的受容と見て取った彼女はテンションのギアをさらに上げていく。 満面の笑顔で語られる事案の経

 
 
 
ギャラクシー”フォールンマテリアル”ー未踏と未知が抱える神話ー

そう、元々絶望を受け止められない程度の器が夢や理想の重みに耐える事なんてできない。必然だと思わない? それとも様々な倫理や良識を犠牲にして専用の器を造る…?このひとつの禁呪のためだけに。 別に私は構わないけど、貴女にはそれなりの対価を支払ってもらうことになるわね。 必死に笑いをこらえて思わず吹き出しそうになっている彼女の顔は赤子の笑顔より無垢なものに感じられる。その様はまるで「ちゃんと言葉が喋れる

 
 
 

コメント


Copyright © Aquarian Age Fan Project All rights Reserved.

bottom of page