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ギャラクシー”アナザーデイズ”ー原初の追憶、未来の記憶ー

  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

それが元々想定されていた未来であった、と…?


彼が搾り出すように紡いだその言葉は疑問系ではあったが、答えを問うものでない事は明らかだった。


その相貌には絶望や失望だけでは無い色がない交ぜとなっていてその胸中を推し量ることはできない。


見るべき夢の提案から開拓地の選定に始まった未来への道筋。


それは度重なる不都合によって現実性がほぼ失われている…それでもこれまで以上の献身と投資を強いるのは酷だと誰もが感じていた。しかし進み続けた先の成就を諦めることなど到底できない。


かつて焦がれた景色の再現だけが唯一の救いとなった今でも。



「…彼女の”聖域指定”の異能を持ってすればまだ状況維持ができる目算が立つ。そういう理解でいいわけね?」


「そうですね…愛耶、いや蒲田さんの形成できる「範囲結界」は包んだ内部を「主の守護が支配する聖地」として定義することで深層意識レベルで制約を守らせる力です。確かに今の事態を対処するには適任と思いますが、不穏分子を押さえつける事まで織り込むのはさすがにリスクが高すぎると考えますが?」


千里は慎重すぎるほどの言葉選びで遊名の問いに応じた。


このラウンジが空気の重さでひしゃげるのではないかと思う程の重圧が満ちている…この場は明らかな生命の危機を感じさせる猛獣の檻の中のようだ。


かつて黎明の女神がこの世に顕現した時のような既視感が脳裏を灼く。


そしてその時より怜悧な殺意が自分に向けられている事を受け止めなければならない。


千里は呼吸の深度を限りなく深くして今処理すべき情報を整理する。


…意識干渉・統制系の異能はたやすく物事を進める事ができる一方で環境を簡単に歪ませる危険を孕む。


そしていつの世も人々が求めるのは「制度からの開放」。


それだけに神学概念を軸にした愛耶の意識が大きすぎる意識の渦に巻き込まれればそれで一巻の終わりだ。相手をねじ伏せればそれで解決という以外のケースで彼女を投入するなど愚策である。


千里は現場を任されているチーフエージェントとして当然その結論を提言する義務があった。


だが、本能的な警告はその義務の履行を頑なに拒否している…千里の意思で動かせるものはこの場に何も無い。


その様子を穏やかな笑顔で眺めていた遊名は、改めて「出撃要請」の承認を言い渡した。

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